K邸新築工事

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一階はすべて土間のアトリエ、住まいはすべて2階にまとめた、リタイヤ世代の夫婦の建て替え事例です。
光と風・緑、木や漆喰といった空気感・素材感にあふれたお住まいです。

多摩丘陵の東端に位置するこの敷地からは、多摩の自然と遠くは都心までを見渡すことができます。

現代の田の字プラン、自由なワンルームを中心にしたプランニング

1階のアトリエ、2階のリビングダイニングは、それぞれ一つの大きなワンルーム。収納や個室、バスルームなどの小さいスペースがこのワンルームに連なる、かつての民家のような田の時プランになっています。
ワンルームの中央に階段を配置することで、一つの大きな空間の中に、リビングとダイニング、あるいはそれぞれのアトリエのスペースといったちいさな空間をかたちづくっています。
また、この家には廊下がありません。廊下をなくすことで通常の住宅と比べ、プランニングと相まって建築面積以上の広さ感を生み出しています。

どの空間もつながっているこの家では、音など気配が筒抜けになりますが、子供たちが独立した夫婦二人の住まいという条件の中で、解決されています。プランニングにおいては、後々のリフォームに柔軟に対応できることが大切だと考えています。お客様の晩年の生活に備えてのリフォームに対しても、間仕切りや設備の追加など、柔軟に対応できる設計です。プライバシーの確保もこうしたリフォームによって大きく変化させることが可能です。

間仕切りのほとんどないこのプランは、地震に備える耐力壁を外壁のみに配置する、大黒柱を設けるといった構造的なアイデアによって実現しています。また大スパンを飛ばすための梁は、奥多摩の製材所に直接訪れ丸太から選んでもらい手配しました。

蓄熱暖房による全室暖房と、冷房レスを目指した環境設計

ワンルーム型の大空間の住まい、大きな開口部は空間的には大変魅力的ですが、ともすると空調に大きな負担がかかります。エアコンをいくらまわしても暖かくならない・熱がすべて上に上がってしまう、光熱費が膨大になる。夏場も大きな開口部からの日射や空間の大きさが、冷房に大きな負担をかける場合があります。

当物件では、土壌蓄熱暖房「サーマスラブ」を導入し、家全体を24時間暖める全室暖房を採用しています。ほとんど間仕切りのないこの家では、そもそも個別暖房という選択肢がなかったともいえます。土壌蓄熱暖房は、基礎の下にヒートパネルを埋め込み、深夜電力で土壌と基礎を暖め、日中は基礎からの放射熱で暖めるという仕組みになっています。1階の基礎部分が熱源になっているので、2階は不利になりがちな暖房ではありますが、1階に床を作らず土間として基礎部分を露出させる、1階と2階の間に大きな吹き抜けを設ける、といった方法で2階まで十分な暖気を得ることができます。大きな開口部からの日射熱取得も暖房環境に貢献しています。

蓄熱暖房の使用感については、「暖かい」というようりも「寒くない」という表現が当てはまります。暖房にあたっているという積極的な感覚がなく、冬の気候であることを忘れてしまうというようなストレスフリーな感覚です。蓄熱を利用するので、急激な気温の変化には対応できないのがデメリットですが、衣類で対応できる範囲です。秋にスイッチをオンにして、春にスイッチをオフにするだけの操作も、

コスト面については、土壌を蓄熱するため、大きな電力を必要としますが、深夜電力による電気代の割引と、5時間通電制御契約による基本料金の割引で非常にリーズナブルになっています。部屋毎に暖房する個別暖房とほぼ差がないランニングコストです。(福島原発事故を受けて、5時間通電制御契約の新規契約はなくなっています。これからの導入については、ランニングコストを十分に検討する必要があります。)

夏場においては、冷房稼働を極力抑えられるよう、日射制御と通風、そして土間を採用しました。大きな開口部には夏場には適切に日射を遮るように設計した、大きな庇をつけています。またハイサイドライトにはLow-Eガラスを採用するなど、積極的に日射熱を遮断しました。通風においても各面に窓を設け、十分な風の経路を確保しています。そして、土間が夏場の暑さには涼の場として活躍します。土間のひんやりとした空気は想像以上のものです。

無垢材をふんだんに使用した造作

作り付けの収納や、窓や扉の枠といった造作に、ふんだんに無垢材を使用しました。外気に接する部分は米ヒバを使用し、室内側では枠には丈夫なナラ、家具類にはタモの無垢材を使用しています。金物類には蜜蝋を焼き付けたオリジナルのアイアンパーツや、革の取っ手を使ったりと家具の製造を行うHOHWorkshopならではの空気感に仕上がっています。

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概要

設計・造作工事 HOH Workshop
施工 相羽建設株式会社
場所 東京都稲城市
建築面積 75m2
延面積 150m2
敷地面積 193m2
階数 2階
構造 木造在来工法

仕上げ・素材

1階床 墨モルタルハケ引き
2階床 杉無垢フローリング
洋漆喰(マーブルフィール:プラネットジャパン)
天井 洋漆喰塗料(フェザーフィール:プラネットジャパン)
造作 タモ無垢材・ナラ無垢材
外壁 焼き杉オイルフィニッシュ
木製サッシ(米ヒバ)、アルミサッシ
構造製材 多摩産無垢杉材、檜材